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‐ 眼の角膜で全身の神経障害を診る新しい検査法

糖尿病性神経障害は、しびれや痛みが現れ、悪化すると足壊疽(えそ)の原因となるため、早期の診断が重要です。アキレス腱反射(※)や振動覚(かく)(※※)などの検査は、神経障害の有無を判定する簡便な検査法ですが、どのぐらい病状が進行しているかを把握することはできません。皮膚生検という皮膚の一部を切り取り、神経線維を調べる検査法もありますが、手間や時間がかかるだけでなく、「痛み」という患者さんにとって大きな負担があり、頻繁に行うことはできません。

そこで、新たに神経の分布密度が高い組織である、眼の角膜を使った検査法が注目されています。共焦点顕微鏡という装置を使うと、角膜神経を撮影することができます。その画像を解析し、角膜神経の本数や長さから、神経障害の度合いを数値(CCM指標)として示すことができます。CCM指標が低下すると神経障害の重症度が上がるという、両者の相関もわかっています。そのため、神経障害の有無だけでなく、進行の評価にも応用できる可能性が出てきました。この検査法は患者さんの身体的負担が少なく、繰り返し検査ができることが最大の利点です。眼は、糖尿病による血管病変を直接観察できる窓として、糖尿病全身合併症を推測する貴重な存在とされてきました。今後は、神経障害を評価する窓としても、眼が重要な役割を果たす日が期待されます。

( ※ )アキレス腱を打腱器で叩くと、健康な場合、自然と足先が動く。
(※※)くるぶしなどに音叉をあて振動を与えると、健康な場合、10 秒以上振動を感じる。

 

東京女子医科大学 糖尿病センター
眼科 廣瀬 晶

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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