糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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熊坂先生 最近、だいぶ低血糖の回数が減りましたね。

坂本さん 先生のところに伺ってインスリンを始めましたが、当初はよく低血糖を起こして、救急車で運ばれました。

熊坂先生 原因は大体アルコールかなと思っていました(笑)。インスリンを使っている方がお酒を飲むと、低血糖を起こしますから気を付けてくださいね。って何度もお話しましたね。

坂本さん わかってはいたのですが、仕事の付き合いもありましたし。なかなか難しかった。

熊坂先生 そうですよね。私も開業したばかりで、教科書通りの厳しい指導をしました。でもそれだけでは、何の意味もないことがよくわかりました。患者さんの生活の都合を理解した上で、行動を見守ろう。そう思いましたよ。

坂本さん 今はもう、職場の人達も親類もみんな、私が糖尿病でインスリンが必要なことを知っています。だからあまりお酒も勧められなくなりました(笑)。

熊坂先生 バリバリ仕事している時は、付き合いの席を断れないことも多かったのでしょうね。奥さんは保健師なので、本当に心配なさっていましたよ。

坂本さん奥様 私も夫の糖尿病が心配で、食事量や食材の工夫をしました。ですが、若い頃は、夫も無茶や無理をして。本当に泣きたいくらいでした。でも今は食事もきちっとしていますし、間食もしません。

熊坂先生 震災の時には、翌日の昼頃病院にいらっしゃいました。

坂本さん 津波で何もかも。もちろんインスリンも流されたので、4時間かけて、先生の病院を訪ねました。

熊坂先生 大変な経験をしても、何よりインスリンがないと困る。ご自身の体を守れないって。その判断はちゃんと糖尿病を理解し、自覚している証拠ですね。

坂本さん 先生も病院も無事で、インスリンが手に入った時は、本当に安心しました。

熊坂先生 われわれ医師がどんなに言っても、本人の自覚がなくちゃ、やっぱりだめですね。

坂本さん インスリンがなければ困るということはわかっていても、公に認めるまでには時間がかかりました。

熊坂先生 私も還暦を過ぎ、震災・津波もくぐりぬけ、もらった命だと思っています。患者さんの複雑な気持ちをわかった上で、その行動を見守ろうと思いますよ。

坂本さん 私が元気でいるのは、先生のお蔭です。何も言わなくても、お互い目を見ればわかるようになってきましたが、たまには厳しい一言もお願いしますね(笑)。

上手に一病息災。
合併症を遠ざけて、人生豊かに。

熊坂 義裕 先生
医療法人双熊会 熊坂内科医院 理事長
日本病態栄養学会理事・日本糖尿病学会専門医・盛岡大学栄養科学部教授・前宮古市長
いつもニコニコ。親しみやすく、お話上手な熊坂先生の周りは笑い声が絶えない。
心がけていることは、患者さんの生活と血糖コントロールの折り合いをつける診療。

 

すべては自己責任。
心を決めて、早めの治療を。

坂本 安正 さん
1型糖尿病でインスリン強化療法中。糖尿病網膜症は光凝固治療で安定。糖尿病・インスリンとの共存を語ってくれた言葉は決して多くはない。遠い日を語るその言葉には、心の葛藤が見え隠れし、今の強さを支えている。

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
糖尿病センター センター長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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