糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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保坂先生 お母さんが大学病院から紹介された時期は、眼も大変な時期だったし、足病変もありましたね。

堀内利美さん(母) 糖尿病の怖さを全部背負い込んでいた時期でした。糖尿病の専門医の下で、色々診て欲しい、近所で頼りになる先生が欲しいと思って紹介して頂きました。

保坂先生 お母さんも若い時に発病していて、ご親族に糖尿病も多かったので、もしかしたら若年発症成人型糖尿病(MODY:モディ) かなと思って、娘さんの検査を勧めました。高校3 年生の時でしたね。

堀内麻里さん(娘) お母さんの病気は知っていましたが、自分も同じ病気だと聞いて、あの時は正直ショックを受けました。進路が決まった後だったので、もう少し早く知っていたら、進路も変わったかもしれません。

堀内利美さん(母) 私は先生から糖尿病が遺伝していると聞いて、娘に申し訳ないと思いました。自分が病状を悪くしてしまった時期があったので、そんなことにならないよう、守ってあげようと思ったんです。同じ病気だから、一緒に勉強もできるし、がんばらなくてはいけないと考えました。

保坂先生 5年位前から、何かふっきれたように変わりましたね。

堀内利美さん(母) 以前は肥満でした。先生から「そろそろダイエットかな」と言われましたよね。
それで真剣に運動療法と食事療法を始めました。真面目にやるとちゃんと毎月少しずつ痩せるんです。痩せたら、娘とファッションの話しもできるようになったし、楽しいんですよ。

堀内麻里さん(娘) 確かにダイエット始めた時が、新しいお母さんの始まりかも(笑)。一緒に大好きなダンスグループのDVD を見ながら踊ったりするんですよ、ノリノリでね(笑)。
お母さんが痩せたので、共有できるものが増えたんです。買い物も一緒に行って、洋服やバッグを貸し借りしたりして、とっても楽しいです。
食事も特別なことをするのではなく、油ものは1 種類、炭水化物がかぶらないようになどを心がけています。

堀内利美さん(母) お父さんも一緒に筋トレを始めたり、家の中の環境も変わりましたね。難しい食事療法と思わず、糖尿病に悪くないだけでなく、お肌にいいとか、アンチエイジングなんて言って楽しんでいます(笑)。イライラした時に体を動かすと、ストレスを発散できることもわかりました。

保坂先生 お母さんは壊疽や失明の危機から14 年経つけど、今は腎臓も少しも悪くないし、視力も上がってきています。すごいことですね。気持ちが変わると、こんなに状況は変化するのだということ教えてもらいました。糖尿病の状態が悪いと、時には家族が壊れてしまうこともありますけど、病気が良い方向に向かえば、家族のきずなも深まる良い例だと思います。

堀内麻里さん(娘) 私は病気のことを相談できる人が身近にいるのはいいなあと思います。私より私の体のことがわかっているし、もしお母さんがいなかったらイヤだし、困ります(笑)。

保坂先生 お母さんの今までの経験が、益々これからの助けになるでしょうね。

堀内利美さん(母) 病気のことを恨めしく思ったこともありました。でも、病気のおかげで出会った人もたくさんいますし、その人達から多くのことを学びました。そして、だんだん強くなって、壁を乗り越えられました。病気も良くなり、精神的にもグッと良くなりました。そういうところを娘に見せることで娘を守ってあげられたらと思います。

保坂先生 人は自分自身も変わっていきますが、診療や治療も変わっていきます。でも、根っこの部分は変わらない、共有できる部分があるのだと思います。これからも色々なことがあるかもしれないけど、安心して人生を歩んでほしいと思います。そのためには、良い関係を築くことが大切なのでしょうね。これからも共に成長していきましょう。

左から堀内麻里さん、堀内利美さん、保坂嘉之先生

保坂嘉之先生
医療法人芙蓉会 保坂内科クリニック(山梨県富士吉田市) 院長
日本糖尿病学会専門医
パリっとした真っ白な白衣は信頼と安心感の象徴。活き活きとした表情で、患者さんの話しに耳を傾ける。
患者さん向けのわかりやすい食事療法解説の書籍も好評。時々見せる茶目っ気のある笑顔が魅力の先生。

 

堀内利美さん・麻里さん
母娘共に若年発症成人型糖尿病。お母さんはインスリンで、娘さんは経口薬で治療中。ふたりの間で共有するものは、ごく普通の親子よりたくさんある。楽しいことも、そうでないことも、ストレスと捉えずポジティブに!の仲良し母娘。

 

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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