糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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池田先生 西ノ内さんは、80代半ばで1型糖尿病を発症されました。なかなか珍しいケースだと思います。最初はお近くの病院で1日2回のインスリンで血糖コントロールを試みて、その後1日4回の強化療法に変更しましたね。

西ノ内さん そうです、でも高血糖と低血糖を繰り返しました。特に低血糖は頻繁に起こって、私もとても心配でしたし、家族にも心配をかけました。

池田先生 最初にお会いしたのはそんな時でしたね。低血糖が常に気になっていて、とても不安そうだったのを覚えています。

西ノ内さん あの頃はとにかく運動しなくてはいけない、歩きなさいって言われて。一生懸命歩いたら心臓に負担をかけてしまって、病院のお世話になりました。食事も減らすように言われたら、何だか食べるものがないように思えました。生きる気力が薄れてきて、体重が10キロも減りました。本当に落ち込んでいました。

池田先生 そうでした、いろいろ苦労しましたね。血糖値が高いのも心配、下がり過ぎて低血糖になるのも不安。だから食べるのも不安という悪循環でした。様々な不安感が西ノ内さんを覆っており、身動きが取れなかった、そんな感じでした。

西ノ内さん でも、本当に先生に助けて頂きました。栄養士さんにもいろいろ教わりました。先生は、糖尿病は食べていけないものはないけど、食べ方にコツがあるから一緒に勉強しましょうって言って下さいましたね。

池田先生 入院して頂いて、食事療法やインスリン量を一緒に勉強しました。そうそう西ノ内さんの大好きなあんパンでインスリンの働きをみましたね(笑)。あんパンを食べて、インスリンを注射して、血糖値の変化を一緒に見ました。いろいろなあんパン、5回くらい試しましたっけ(笑)。

西ノ内さん おかげで大好きなあんパンをあきらめずに済みました(笑)。

池田先生 インスリンもほとんど一人で注射していますよね。

西ノ内さん はい。自分で一生懸命やっています。少しふるえがあるので、テーブルに肘をついたり、ベッドにもたれてみたり、そうやっていろいろ工夫しています。

池田先生 ペン型のインスリンは1日1回だから、拡大鏡を使い、お手伝いの方が来てくれる昼に打っているのですね。でも、それ以外はダイアルが大きな時計型の注入器で、ご自身で注射していますね。

西ノ内さん 自分の体のことなので、なるべく自分でしないと。でも、お手伝いをしてもらえるのは心強いです。

池田先生 これから先、今より目が見えづらくなるとか、ふるえが多くなるかも知れないけど、明るくて前向きな西ノ内さんでいられるように、僕なりにサポートさせて頂きます。

西ノ内さん 生きる力を失っていた私ですが、先生のおかげで生きる喜びが戻ってきました。だからインスリン治療も頑張れるのでしょう。本当に先生に巡り合えたことをありがたいと思います。すがる人がいるということは、こんなにも違うのですね。

池田先生 西ノ内さんの治療は、不安を感じずに毎日を過ごしていただくことが最優先です。でも、西ノ内さんをみていると、僕自身が元気づけられることに気が付きます。

西ノ内さん 月に1度の通院は、娘たちが送り迎えをしてくれるし、先生だけでなく、みんなに感謝、感謝です。みんなのお世話になりながら、生きたいと思います。先生に捨てられたら困るので(笑)、先生に教わったことをしっかり守っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。

完璧を求めず、患者さんの努力に寄り添いたい。

池田 幸雄 先生
高知記念病院 糖尿病内科 部長
日本糖尿病学会専門医、日本腎臓学会専門医、高知大学医学部臨床教授
糖尿病は生涯付き合う病気。患者さんが今より少しでもよくなるように、患者さんの努力に寄り添う治療やサポートに力を入れる。先生の優しい気持ちは、柔らかな笑顔になって、患者さんを包み込む。

 

自分の体のことは自分で。前向きに明るくインスリンとの生活を。

西ノ内 鶴代 さん
1型糖尿病を4年前、85歳で発症。白内障があるが、ご自身でインスリンを注射し、強化療法に取り組んでいる。明るくチャーミングな笑顔とハキハキした受け答えは、元気一杯。南国高知の明るさがたくさん詰まった女性。糖尿病の皆さんと一緒に頑張るようにしたいと微笑む。

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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