糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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以前の日本では、「インスリンを使用していると、糖尿病が非常に悪いと思われてしまうので、使いたくない」という風潮がありました。今では、糖尿病の治療に使用する注射製剤が、インスリンとGLP-1 製剤の2 種類となり、治療の現場でよく使用されており、大きな意識革命となりました。
各国のインスリンを取り巻く状況をご紹介します。

 

 インスリンが発見されたのは、1921 年です。日本において、最初にインスリン治療が開始されたのは1924 年、6 歳11 ヵ月の小児期発症1 型糖尿病の患児に使用したことに始まります。1950 年代になると、日本ではインスリンは広く入手できるようになりました。1954 年までの小児期発症1 型糖尿病患者数は、100 例余りとの報告があります。当時のインスリンは、動物由来のインスリンで、1mL あたり20 単位の濃度でした。現在では、動物由来のインスリンは使われていません。その後、ヒトインスリン製剤(1mL あたり100 単位)という、健康な人から分泌されるインスリンと同じアミノ酸の並び方で作られたインスリンが、一世を風靡しました。今では、ヒトインスリンに似ているものの、構造が少し異なるインスリンアナログ製剤が日本だけでなく世界を席巻しています。

 現在、日本では、使用製剤のうち、アナログ製剤が約87%を占めています。また、インスリン製剤の剤型は、使い捨てタイプが93%です。日本では、世界で発売されている主要なインスリン製剤を使用することができます。

1型糖尿病の患者数は、糖尿病患者数全体の0.013% で、近年2 型糖尿病が増加していることが報告されています。日本と同様、国民皆保険制度ですが、ペン型インスリン製剤には保険が適応されず、全額自己負担になっています(2013年時点)。韓国には兵役制度があり、30 歳の誕生日を迎える前までに入隊しなくてはなりません。そのため、インスリン注射をしながら兵役に就く1 型糖尿病患者さんもおられることと想像されます。

 米国カリフォルニア州の、盲導犬ならぬ糖尿病ケア犬( Dogs for Diabetics )の訓練をする会社を紹介します。この会社の創始者は、1 型糖尿病( インスリンポンプとCGM〔持続グルコース測定〕中)で、以前、警察犬の訓練に従事していた方です。愛犬が低血糖を頻回に教えてくれたことから、「犬は人間に感知できない低血糖のシグナルを感知できるのではないか」と考え、犬に訓練を開始し、2004 年に会社を設立しました。適した犬を訓練すると、85%以上の正確さで低血糖を感知してくれるということです。当センター通院中の患者さんにも、愛犬が低血糖を教えてくれるとお話し下さった方がおられます。

 

東京女子医科大学 東医療センター 病院長
内潟 安子

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
東医療センター 病院長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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