糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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インスリンで血糖コントロールをしている場合、目標の血糖値を目指すためには、その方に合ったインスリン量の調節が必要です。ある時点の血糖値に最も影響するインスリンを、責任インスリンと言います。責任インスリンを意識したインスリン量の調節について解説します。

 

● インスリンで血糖値をコントロールしている方では、糖尿病の状態や日々の食事や運動量などにより、適切なインスリンの種類や必要量がそれぞれ異なります。

● 注入したインスリンの量が、その後の血糖値に大きく影響しています。このインスリンのことを「責任インスリン」と言います。

 

● 測定した血糖値から、責任インスリンの量を振り返って適切であったかどうかを判断します。

● 測定した血糖値が目標値に近ければ、責任インスリンの量が適切であったと判断できます( 図2-A)。

● 測定した血糖値が目標値よりも低い場合、責任インスリンの量が過剰であったことを意味します(図2-B)。

● 測定した血糖値が目標値よりも高い場合、責任インスリンの量が不足していたこと意味します(図2-C)。

 

● 責任インスリンを考慮したインスリン量の調節は、数日間の血糖値の傾向からその量を調節します。日常的な血糖コントロールを安定させることができる方法です。

● 数日間、インスリンを使う前( 食前や就寝前)に血糖値を測定し、責任インスリンの量が適切であったかを検討します。この時、いつもと違った行動( 食事や運動量の変化、睡眠の状態、ストレスなど)があったかどうかも血糖値と一緒に記載しておきます。

● 主治医は血糖値の変動や体調の有無などを考慮して、同じ時間帯の血糖値が高ければ、その責任インスリンを増量することがあります。また、逆に血糖値が低めだったり、低血糖症を起こすような場合は責任インスリンを減量することもあります。

● 朝食前の血糖値が高い場合には、①あかつき現象と②夜間の低血糖に対応して、明け方に血糖値が高くなるソモジー効果の可能性があります。ソモジー効果の場合、夜間に低血糖を起こしているので、その予防のため、就寝前のインスリン量を減量する必要があります。朝の血糖測定時間が6 時から7 時、7 時から8 時とおそくなるにつれて血糖が上昇する場合はあかつき現象です。

● インスリン製剤には、作用時間が長い持効型溶解から短い超速効型まで、様々な種類があります。患者さんごとの生活スタイルに合わせた細かなインスリン製剤の調整ができる時代になっています。

 

責任インスリンを意識することは、血糖値が上下する原因について考えるきっかけにもなります。良好な血糖コントロールを目指す一助として、責任インスリンという考え方やご自身の生活スタイルの見直しも大切です。

 

 

 

東京女子医科大学糖尿病センター
三浦 順之助

 

次回は「介護とインスリン」をお届けします。

 

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
糖尿病センター センター長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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