糖尿病について徹底解説。血糖値・HbA1cから
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糖尿病治療の注射薬で代表的なものは、「インスリン」です。インスリンには様々な種類があります。どうして、いくつも種類があるのでしょう。また、最近では、インクレチン関連薬といわれるGLP-1受容体作動薬という注射薬も登場しています。いったいどんな違いがあるのでしょう。

 

私たちの体には、24時間たえまなくインスリンが分泌されています。インスリン分泌には、基礎分泌と追加分泌があります。このふたつのインスリン分泌で、血糖値が維持されています。

 

  • 基礎インスリンは、24時間たえまなく分泌され、空腹時や寝ている間にも分泌されるインスリンです。
  • 追加インスリンは、食事摂取と同時に分泌されて、血糖値が上がり過ぎないように働きます。

 


生理的なインスリン分泌と血糖値の推移

患者さんのインスリンの分泌状態はそれぞれ異なるため、インスリンの分泌を本来のかたちに近づけるためには、作用する時間や持続する時間が様々な種類のインスリンが必要です。

  • 基礎インスリンのように、一定量が長く続くインスリン(持効型溶解インスリンなど)があります。
  • また、追加インスリンのように、短い時間だけ作用するインスリン(超速効型インスリンや速効型インスリンなど)があります。
  • その他、混合型や中間型インスリンもあります。

 

 

図はイメージですが、山の高さがその時間にインスリンが効いている強さと考えてみて下さい。この山が血糖値の高い時間にあたるようインスリンの量や種類を調整していきます。

  • 血糖値は食後に高くなり、運動すると下がります。また、それらの内容によっても上がり方、下がり方は変わります。急な血糖値の上昇には急峻な山のあるインスリンを、だらだらとした血糖値の上昇には台形のような山のあるインスリンを使います。逆にインスリンの山に合わせて食事や運動を組む、という考え方もあります。
  • ご自分の使っているインスリンの山の図を描いてみましょう。山が重なった部分では血糖を下げる作用が強くなります。また、なぜ血糖値の高い時間帯が出てしまうのか考えてみましょう。その結果を主治医と相談していくことで、より生活に合ったインスリン治療が可能となります。インスリンの種類がたくさんあることで、いろいろな生活習慣に合った組み合わせが可能となるのです。

 


インスリン製剤の作用と持続時間の特徴

  • 1日1回もしくは2回注射する薬剤です。
  • 食後のインスリン分泌を促す薬ですが、単独で使用した場合は、他の薬剤に比べて低血糖の副作用が少ない薬です。
  • インスリンを出すように刺激する以外の効果も期待されているお薬です。
  • 食後の高血糖を抑える効果がありますが、糖尿病患者さんでは多くみられる「高血糖なのに血糖を上げるホルモン(グルカゴン)が働いてしまう状態」を抑えることがわかっています。また、実験的にはすい臓のインスリンを分泌する細胞が傷むのを予防する作用があることが報告されています。

 

最近では、インスリン製剤も種類が増えています。また、全く新しいタイプの治療薬であるGLP-1受容体作動薬という注射薬も登場しました。主治医の先生と相談の上、自分の生活に合わせて、安全で、より安定した血糖コントロールをめざしましょう。

 

 

東京女子医科大学 糖尿病センター
尾形 真規子

 

 

次回は「震災とインスリン」をお届けします。

監修 内潟 安子 [ 創刊によせて ]
東京女子医科大学
糖尿病センター センター長

編集協力
岩﨑 直子、尾形 真規子、北野 滋彦、中神 朋子、馬場園 哲也、廣瀬 晶、福嶋 はるみ、三浦 順之助、柳澤 慶香
(東京女子医科大学糖尿病センター)
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