糖尿病の薬物治療のひとつにインスリン療法があります。インスリンを使用するのは、どんな場合でしょう。
No.22
糖尿病の薬物治療のひとつにインスリン療法があります。インスリンを使用するのは、どんな場合でしょう。
たとえば
・血糖値がとても高い時(空腹時血糖値250mg/dL 以上、 随時血糖値350mg/dL 以上)
・内服薬で血糖管理ができない時
・ステロイド薬を使用していて血糖値が高い時
・栄養状態の悪い時
などにインスリンを使用します。
インスリンで血糖管理が必要な場合インスリンで血糖値を下げないと生命の危険に関わる場合や、他の治療法で良好な血糖管理が得られない時などには、インスリンでなければ治療ができない、つまりインスリンが必要になります。
<急激に著しい高血糖になった時>
(糖尿病ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧症候群など)
<肝臓や腎臓の状態が悪い時>
<重症の感染症やけが、やけどなどの時>
血糖値が高いと、免疫の働きが低下して、さらに感染症が悪化します。しっかりと血糖値をコントロールするためにインスリンを使用します。
<全身麻酔を行うような大きな手術の時>
<妊娠中の高血糖>
妊娠中は母子への安全性が認められている種類のインスリンで血糖値をコントロールします。
それぞれの患者さんの状態を考慮して治療薬が選ばれています。内服薬、インスリンなどの注射薬、それぞれの特性を活かした治療でよりよい血糖管理をめざしましょう。
東京女子医科大学附属成人医学センター
岩﨑 直子
JP23DI00150