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ぺん・くらぶ

「インスリン抵抗性」について

No.13

高血糖の原因のひとつに「インスリン抵抗性」があります。わかりづらい言葉ですが、インスリン抵抗性について、その原因と対処について解説します。

インスリン抵抗性とは

私たちが食事を摂ると、栄養素が消化・吸収され、一部はブドウ糖に変化して血液中に入り、血糖となります。血糖は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって骨格筋、脂肪細胞、肝臓などに取り込まれ、エネルギー源として使われます。

糖尿病のある方では、インスリンが十分に働くことができず、血糖を臓器にうまく取り込めなくなってしまうため、血糖が高い状態となります。

インスリンが十分働くことができない状態に至るには、主に「インスリン分泌低下」と、「インスリン抵抗性」という2 つの原因があります。「インスリン分泌低下」とは、インスリンを膵臓からうまく分泌できない状態を言い、「インスリン抵抗性」とは、インスリンが分泌されているにも関わらず、インスリンが臓器に作用しづらくなり、血糖を臓器に取り込むために、より多くのインスリンを必要とする状態を言います。

インスリン抵抗性が生じる原因

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インスリン抵抗性の最も大きな原因として挙げられるものは、肥満と過剰な栄養摂取です。

肥満によって内臓脂肪が増えると、増大した脂肪からインスリン抵抗性を引き起こす物質がたくさん産生されるようになり、インスリン抵抗性が起こると考えられています。また、血糖や脂肪酸の濃度が上がることによっても、インスリン抵抗性が引き起こされます。インスリン抵抗性によって血糖が下がりにくくなると、私たちの体は膵臓からインスリンをより多く分泌して血糖を下げようとするため、血液中のインスリン濃度が高い状態(高インスリン血症)となります。この高インスリン血症がさらにインスリン抵抗性を増長させてしまいます。

インスリン抵抗性への対処

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インスリン抵抗性を改善するためには、上記のインスリン抵抗性の原因を改善させる必要があります。体重を適正に保ち、適切な食事療法を心がけてください。血糖の管理も重要です。また、体重を適正に保つ際、運動療法を取り入れることはとても大切です。運動は、適正な体重を維持することに効果的である上に、筋肉におけるインスリン抵抗性を改善させます。特に、継続した運動は長期間にわたってインスリン抵抗性を改善させるという報告もあります。

自分自身の体の状態について知ることはとても大事です。糖尿病の原因がどのような機序によるものなのか、あるいは、インスリン抵抗性があるかどうか、どの程度あるかなどは個々で異なります。ぜひ主治医に気軽に相談してみてください。

参考資料
Way KL. et al: Diabetes Metab J. 40:253-271, 2016

加藤 ゆか
東京女子医科大学 糖尿病・代謝内科

監修 [ごあいさつ]
東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学
教授・基幹分野長
馬場園哲也

編集協力
大屋純子、小林浩子、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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