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糖尿病の治療の負担問題

殿!糖尿病の治療の負担問題でござる 治療が大変で困っている者がおるとな?


治療の負担はどえりゃあで

秀吉 ちょこっと小耳に挟んだが、糖尿病治療を続けるのは骨が折れるらしいがね。

医師 糖尿病治療は、健康的な食事や運動が基本となりますが、治療目標が達成できない場合は糖尿病治療薬が必要になります。そのため、治療の負担は個々の状況により異なります。糖尿病治療薬は、決められたタイミングで適切に使用することが重要です。異なるタイミングで使用する治療薬を複数使用する場合や、糖尿病以外の病気の治療で多くの薬を使っていることもあります。このような場合、薬の管理はさらに複雑になります。

秀吉 そりゃえらいわ。

医師 さらに、毎日注射をしなければならないこともあり、それが大きな負担となっている場合もあります。

秀吉 しかも外では注射できる場所を探さにゃならんし、インスリンを持ち歩かにゃならん。戦に出たら難儀するで・・・

しかも外では注射できる場所を探さにゃならんし、インスリンを持ち歩かにゃならん。戦に出たら難儀するで・・・


治療に対するモチベーションを保つ秘訣を教えてちょうよ

秀吉 治療を続けていく気持ちはどうやって保てばよいもんかね?

医師 治療に対するモチベーションを保つための秘訣を2つご紹介します。1つ目は、治療の記録を付けることです。過去の記録と比較することで、改善点や良くなっている部分を確認でき、記録が蓄積されることで自信にもつながります。JADEC(公益社団法人 日本糖尿病協会)が発行する「自己管理ノート」や「糖尿病連携手帳」などを活用すれば、主治医やCDE(糖尿病療養指導士)にも治療状況を共有でき、より適切なサポートを受けることが可能です。

秀吉 そりゃええがね! やる気が出るわ。

医師 2つ目は、自分のできる範囲から治療に取り組み、徐々にその範囲を広げていくことです。食事や運動、薬を全て完璧に管理しようとすると、かえって疲れてしまいます。まずはできることから始め、少しずつ糖尿病と向き合っている方も多くいらっしゃいます。こちらのページでは、そうした糖尿病と上手に付き合っている方々の声を紹介していますので、ぜひご覧ください。

秀吉 肩の力を抜いて無理せず続けるのが一番だで。

肩の力を抜いて無理せず続けるのが一番だで。


周囲を味方に付けるのもコツだがね

医師 長期にわたる治療の中で、一人では挫けそうになることもあるかもしれません。そんな時は、周りの方に頼ってみましょう。糖尿病について家族や身近な方に話すだけでも、気持ちが楽になることがあります。治療に関する悩みや不安を共有することで、思わぬアドバイスや協力を得られるかもしれません。

秀吉 自陣を固めるんだがね・・・どうすりゃええかね?

医師 通院先の医療機関に「友の会」があれば、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。「友の会」は、糖尿病のある方やその家族、医療スタッフで構成されており、同じ境遇の方たちと知り合い、情報交換をすることで不安を軽減することができます。どなたでも入会できるので、医療機関のスタッフやJADEC(公益社団法人 日本糖尿病協会)に相談してみましょう。一人で抱え込まず、時には周囲のサポートを頼ることも大切です。

「友の会」には、暮らしを豊かにする4つのエッセンスがあります
「友の会」には、暮らしを豊かにする4つのエッセンスがあります

公益社団法人 日本糖尿病協会 友の会情報
https://www.nittokyo.or.jp/modules/club/index.php?content_id=3


生活に合った治療がええんだわ

医師 どれだけ治療へのモチベーションが高くても、負担の大きいことを続けるのは簡単ではありません。

秀吉 それで治療をやめたらワヤになってまうわ。
※ 台無しになること

医師 しかし現在では、飲み薬や注射薬を含む多くの治療選択肢があり、糖尿病の状態だけでなくライフスタイルに合った薬を選べるようになり、治療の負担も軽減されています。

秀吉 ええ時代になったがね〜

医師 例えば、1日1回必要であった注射が週1回で済む注射薬なども登場し、ライフスタイルに合わせて使い分けができるようになっています。現在使っている薬が自分のライフスタイルに合っていないと感じる時は、主治医としっかり相談して、自分に合った糖尿病治療薬を話し合うことが大切です。

秀吉 そりゃ今すぐ主治医に相談だわっ!

糖尿病治療薬一覧
糖尿病治療薬一覧
【コラム】 糖尿病とポリファーマシー

 

「ポリファーマシー」とは、複数の薬を服用することで副作用を生じたり、薬の服用が難しくなったりしている状態を指します。糖尿病のある方は、合併症や併存疾患のために、糖尿病のない方に比べてポリファーマシーに陥りやすいとされています。ある調査では、糖尿病のある方の65.6%がポリファーマシーの状態にあったと報告されています。特に65歳以上では、ポリファーマシーが死亡や心筋梗塞のリスクを増加させるとされ、糖尿病治療の課題となっています。

ポリファーマシーの割合
ポリファーマシーの割合
堀井 剛史 他.くすりと糖尿病 2017;6(2):179-187より作図

  

監修:京都大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科学 教授 矢部 大介 先生

糖尿病の三問題

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