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糖尿病NEWS解説

「糖尿病」名前変える?

医師と患者が提唱 負のイメージ払拭、治療の力に

No.14

『糖尿病』という病名の変更を訴える動きが起きています。糖尿病を持つ人は"生活習慣が乱れている" "甘いものを食べ過ぎている"というような誤った認識が偏見を助長し、就職など社会生活で不利な状況に置かれる人もいます。こうした「負のイメージ」を一新するために、日本糖尿病協会は日本糖尿病学会と連携し、議論を進めています。

病名が変わった代表的な例が「認知症」です。偏見や差別がなくなったわけではありませんが、病名変更をきっかけに認知症に関わる様々な仕組みができ、国民の理解が深まりました。他にも、「精神分裂病」が「統合失調症」へ変更され、動物の名称を含む「牛眼」は「先天性緑内障」に、「兎唇(としん)」は「口唇裂」と置き換えられました。
近年、病名変更の動きが相次いでいる背景は、患者中心の意識が医療界に浸透してきたことが影響しています。ですが、安易に変えればよいかと言うと、そう簡単ではありません。病名変更には、コストがかかる等のデメリットもあります。どれだけの人が不快に思っているのか、社会の認知度など、言葉(病名)を取り巻く実態を多角的に検証すべきです。疾患自体への理解が進まないと、名称を変えても偏見や差別はなくなりません。単に言葉をなくすだけの『言葉狩り』にならないようにすることが重要です。

小林 浩子
東京女子医科大学 糖尿病 ・代謝内科

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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