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ぺん・くらぶ

在宅医療廃棄物の正しい処理方法

No.14

糖尿病のある方が、治療に関連してご家庭で処理しなければならない医療廃棄物があります。医療廃棄物の処理方法について、正しく処理しなければならない理由や、処理方法について解説します。

在宅医療廃棄物とは

在宅医療廃棄物とは、医師のサポートの下に、自己注射などの医療を家庭で行った結果、排出される廃棄物のことです。糖尿病の治療におけるインスリン自己注射は在宅医療の先駆者ですが、近年では糖尿病以外の領域でも自己注射療法が広く行われるようになり、在宅医療廃棄物の量は飛躍的に増えています。そのため、日本糖尿病協会、日本医師会、環境省などでは、在宅医療廃棄物の廃棄方法に関する指針を出しています。

正しく廃棄しなければならない理由

在宅医療廃棄物を、家庭ごみと一緒に排出したり、公共の場所に廃棄したりすると、ご家族はもちろん、ごみ収集員や廃棄した場所の清掃に関わる方を傷付けるだけでなく、場合によっては血液や体液などから感染させてしまうリスクがあります。こうした事故が起こらないよう、正しい排出方法で、適切な場所に廃棄することが大切です。

在宅医療廃棄物の種類と排出方法

排出方法を見極めるポイントとして、使っている機器が、1.鋭利な物、2.鋭利であるが安全な仕組みのもの、3.鋭利でないものの3 種類に分けて考えます。

● 鋭利な物
針先が露出している針付き注射器や自己血糖測定に使う採血穿刺器具などです。
● 鋭利であるが安全な仕組みのもの
廃棄に際して針ケースが付けられるペン型注入器用針や、注入時や穿刺時以外は針先が出ない形状のものです。いずれも、露出している針には針保護カバーを付け、フタのできる固い容器に入れたものを、さらに袋に入れて排出します。
● 鋭利でないもの
針をはずしたペン型注入器やカートリッジ、自己血糖測定器用センサーや試験紙が該当します。袋を2重にして入れ排出します。

排出先を確認しましょう

在宅医療廃棄物の排出先は、自治体や医療機関によって異なります。まず、医療機関や主治医、薬局などに廃棄方法について聞くようにしましょう。そこで、廃棄方法について指示があれば、それに従います。例えば、医療機関や薬局で回収していることもあります。また指示がない場合には、機器の添付文書や取扱説明書などの記載事項に従いましょう。回収先がなかったり、排出先が分からない、どうすればよいか迷ったりする場合には、お住いの自治体で確認しましょう。

在宅医療廃棄物の廃棄方法について詳しくは、下記をご参照ください。
・日本糖尿病協会 「 正しく捨ててる?在宅医療廃棄物」
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/waste_leaf_single_page.pdf
・日本医師会「在宅医療廃棄物の取扱いガイド(2008年版)」
https://www.med.or.jp/dl-med/doctor/haiki/zaitaku_haiki_pamphlet.pdf
・環境省 環境再生・資源循環局 「 廃棄物処理法に基づく
感染性廃棄物処理マニュアル(令和4 年6 月)」
https://www.med.or.jp/dl-med/doctor/haiki/2022chi_667.pdf

浜田 幸宏
東京女子医科大学病院 薬剤部 薬剤部長

監修 [ごあいさつ]
東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学
教授・基幹分野長
馬場園哲也

編集協力
大屋純子、小林浩子、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

JP23DI00182