●手の指回し運動
指の運動
No.11
糖尿病歴が10年を超えてくると末梢神経障害で指の感覚が鈍ってくることがあります。指の状態のチェックも兼ねて、指の運動を習慣づけてみましょう。
指の運動をする前に
●手足の指をしっかり観察しましょう。
自分の手足の指を、じっくり見ることは案外少ないものです。深爪、ささくれ、傷がないか、毎日一回はしっかり観察するようにしましょう。糖尿病のある方は感染しやすいため、小さい傷でも悪化する可能性があります。特に足の傷は壊疽の原因になることがあるため、念入りに見るようにしましょう。足趾が自身でよく観察できない場合は、ご家族などにお願いしましょう。
●指の痛みや変形に気づいたら
左右の手のひらを合わせた時に、左右差があったり、両手指がぴったりと付かなかったりしていませんか。糖尿病の罹病期間が長くなると、手指の痛みやこわばり、変形などが生じることがあります。足の爪の変形や変色はありませんか。気になることがありましたら主治医に相談し、必要に応じて整形外科などの他の診療科の受診も考えましょう。
指の運動
手指の運動は、運動機能を維持し、高めるだけでなく、認知機能低下の予防にも繋がるといわれています。ちょっとしたすき間時間に3~5分程度、毎日続けましょう。最初は少し難しかったり、動きが鈍かったりしても、続けているうちに改善することがあります。ご高齢の方はもちろん、若い方も将来に備えて今から続けることが大切です。
両手の指先と指先を合わせ、手のひらで空間を作ります。ほかの指は付けたまま、親指と親指を離してぐるぐる回します。親指から順に小指までいったら、逆回しで親指まで戻ります。
●手指の付け離し運動
左右の手をぴったりと合わせます。親指と親指を付けたり離したりします。順に小指までいったら親指まで戻ります。手のひらや他の指が離れないように注意します。
●足趾のグーパー運動
足の趾を出来る限りひらいて10秒間キープしたら、ギューッと足の趾を丸めて10秒間キープ。これを繰り返します。
望月 翔太
東京女子医科大学 糖尿病・代謝内科
監修
東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学
教授・基幹分野長
馬場園哲也
編集協力
大屋純子、小林浩子、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順
JP23DI00227