活動量を増やそう
日常生活の中でも、ちょっとした心がけで活動量を増やすことができます。自分の生活に即した動作で、昨日より今日の方が多い程度でも、長く続けて積み重ねていくことで、活動量の増加に繋がります。
No.3
糖尿病の治療において、食事療法と運動療法は基本です。糖尿病の方では合併症の発症リスクを下げる点で、また、境界型糖尿病の方であれば、5年先10年先を見据えて糖尿病に進展させないために重要です。有酸素運動とレジスタンス運動(筋肉に抵抗を与える動作を繰り返す運動)を兼ね備えた水中ウォーキングは、運動療法の理想といえます。しかし、プールに出向き水着を用意する必要があります。もっと気軽に、日常生活の中で自分に可能な方法を考えてみませんか。
日常生活の中でも、ちょっとした心がけで活動量を増やすことができます。自分の生活に即した動作で、昨日より今日の方が多い程度でも、長く続けて積み重ねていくことで、活動量の増加に繋がります。
「私はインドア派」、「人の輪の中に入るのは苦手」という方は、ご自分の好きなことや興味のあることのために、外出してみてはいかがでしょうか。目的の場所への往復だけでも、十分に運動になります。また、その場所で、同じ趣味を持つ方と情報共有することがきっかけとなり、コミュニケーションの輪が繋がり、さらに行動範囲が広がるかもしれません。楽しみのために外出することが活動量を増やすことに繋がります。
好きなことのサークルやイベントに参加すると、時間が短く感じられたり、その結果、継続でき、コミュニケーションが生まれたりするなどのメリットも数多くあります。運動サークルでなくても構いません。まずは地域のお祭りや展覧会など、家から外へ一歩踏み出すための環境を、自分で作り出すことにトライしてみましょう。
吉田直史
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
JP23DI00110