●足首運動
在宅でも要注意エコノミークラス症候群を予防しよう
No.9
エコノミークラス症候群は、長時間座り続けることや同じ姿勢でいることで発症する血栓症で、血栓(血のかたまり)が肺に流れて血管が詰まると呼吸困難を引き起こし、生命に危険がおよぶ重大な病気です。高血糖が継続すると血栓ができやすく、さらに動脈硬化が進行していると血栓が詰まりやすくなるため、糖尿病のある方は、エコノミークラス症候群を発症するリスクが高いと言われています。そこで、エコノミークラス症候群を予防するポイントと簡単な運動を紹介します。
エコノミークラス症候群予防のポイント
●水分をしっかり摂りましょう
体内の水分が不足すると血液がドロドロになって固まりやすくなります。季節を問わず、意識して水分を摂ることが大切です。
・決めた時間に飲む・・・朝起きた時にコップ1杯、トイレに行った後に一口など。
・飲む量を決めておく・・・1日に飲む目標の量(1.2~1.5リットル程度)を予めペットボトルなどに用意しておく。
●「ちょこちょこ動き」のすすめ
郵便受けを見に行く、テレビやエアコンなどのリモコンは離れたところに置いて取りに行くなど、家の中での簡単な用事を色々作り、「ちょこちょこ」動くようにしましょう。立ち上がった際には、まずその場で足踏みしてから動くようにするのも良いです。
手軽にできる予防運動
滞った血液の流れを良くするために足を動かしましょう。
●足指じゃんけん
足の指でグー・チョキ・パーをしてみましょう。最初は上手にできなくても、毎日続けるとしなやかに動かせるようになります。
椅子に座り、片足を上げてつま先を立てたり伸ばしたり、足首の曲げ伸ばしをして筋肉をほぐします。次に片足ずつ、足首の右回し、左回しをしてみましょう。床に座って行う時は、両足同時で行っても良いでしょう。
外出自粛による運動不足は、血糖管理が難しくなり、様々な合併症のリスクが高くなります。感染予防対策をしっかりと行いながら、散歩など外に出て運動することも心掛けましょう。
東 晴名
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也
編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順
JP23DI00227