No.10
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若者の容体急変の陰に肥満と糖尿病、隠れ基礎疾患も
大阪府の調査(第5波時)
新型コロナウイルスの感染拡大「第5波」では、当初、重症化しにくいとみられていた若年者で、容体が急変するケースが相次ぎました。以前より、糖尿病などの基礎疾患がある方では、重症化のリスクが高いことが指摘されていましたが、基礎疾患に気が付いていない方も少なくありません。
新型コロナウイルスに感染し、急変後に行った検査で基礎疾患が判明し、「健康診断を受けて来なかった」、「健診で指摘をされたが放置してきた」と話す方もいます。「基礎疾患なし」と保健所が判断すると入院の優先順位が下がってしまうため、定期的な受診と検査を行い、体調を把握しておくことが大切です。
また、肥満が新型コロナウイルス感染における重症化リスクであることも明確になってきました。第5波で確認された大阪府の重症者さん683名を分析した調査で、肥満度を示す体格指数(BMI)が30以上だった方は、40歳代以下で22.7%、20歳代以下では50%という結果でした。高度な肥満は、睡眠時呼吸障害や心不全など様々な疾患の危険因子となり、長期的な健康被害をおよぼすことが報告されています。
新しい生活様式の中で、主治医と相談しながら、適切な血糖・体重管理を心がけましょう。
加藤 ゆか
東京女子医科大学 糖尿病 ・代謝内科
監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也
編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順
JP23DI00227