No.13
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耐糖能異常とサルコペニア
筋肉量や筋力、身体機能が低下することを「サルコペニア」と呼んでおり、転倒や骨折など様々な身体障害のリスクになると言われています1)。特に高齢の方や2型糖尿病のある方で、サルコペニアのある方が多いとされています1)が、
糖尿病予備群とサルコペニアの関連はこれまで明らかではありませんでした。
文京区在住の高齢者1629名を対象に順天堂大学が行った調査で、糖尿病や糖尿病予備群であることと、サルコペニアとの関連が検討されました2)。この調査では男性の12.7%、女性の11.9%がサルコペニアと診断され、男性では耐糖能の悪化と共にサルコペニアの頻度が増えることが分かりました。女性では糖尿病はサルコペニアの危険因子でしたが、糖尿病予備軍であることは危険因子とは判定されませんでした。他の危険因子は、男女とも年齢が高いことや体脂肪率が高いこと、BMIが低いことが挙げられました。
サルコペニアは、適切な栄養摂取や運動習慣によって発症を予防できる可能性があると言われています1)。主治医と相談しながら、栄養や運動に気を付けていきましょう。
1)サルコペニア診療ガイドライン作成委員会編. サルコペニア診療ガイドライン2017年版 一部改訂. ライフサイエンス出版
2020
2) Kaga H et al.: J Cachexia Sarcopenia Muscle. 13(6):
2835–2842, 2022
高木 聡
東京女子医科大学 糖尿病 ・代謝内科
監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也
編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順
JP23DI00081