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糖尿病NEWS解説

歯科治療の中断が糖尿病など全身性慢性疾患の悪化と関連

No.15

新型コロナ感染症の拡大にともない、外出自粛や感染に対する不安から、通院の必要のある方が受診を控える傾向が見られ、病状の悪化に繋がることが懸念されていました。そこで、新型コロナウイルス感染症の流行による、社会・医療への影響を把握するための大規模調査1)を用いて、糖尿病などの慢性疾患の治療を継続している方が、歯科治療を中断した場合の影響についての研究が行われました2)

 その結果、糖尿病治療を継続しており、かつ歯科治療中断の有無が分かっている1131人において、1043人は歯科治療を継続、88人は歯科治療を中断していました。糖尿病の悪化は歯科治療継続群で5.6%、中断群で18.2%であり、この割合は様々な因子で補正後も中断群で有意に高率でした。また、高血圧症、脂質異常症、心・脳血管疾患、喘息についても同様でした。

 糖尿病のある方にとって、歯周病を治療することは血糖管理の改善に有効なことがわかっています。定期的な歯科検診や治療を継続することで、糖尿病はもちろん、高血圧などの全身性慢性疾患の悪化も抑えられる可能性があります。糖尿病のある方は、高血圧などの慢性疾患を併せ持つ方も多いため、歯科治療を中断せず継続することが勧められます。

花井 豪
東京女子医科大学 糖尿病 ・代謝内科

1) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの社会・医療への影響を把握するために実施された大規模Web 調査「JACSIS(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)
2)Enomoto A et al. : Br Dent J. 2023 Apr 11;1-5. doi : 10.1038/s41415-023-5690-3

監修
東京女子医科大学 糖尿病センター 内科
教授・講座主任
馬場園哲也

編集協力
北野滋彦、小林浩子、佐伯忠賜朗、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

JP25CD00008