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マイベストパートナー

患者も医師もスタッフも同じ目線で向き合うパートナー

No.12

宇都木先生 関島さんは2008年の3月、ちょうど私の誕生日に来院されました。

関島さん そうだったのですか!退職してちょうど1年、これから色々しようと思っていた時に1型糖尿病と診断されました。その時の血糖値は550(mg/dL)だったそうです。20日間入院して、治療や指導(食事・運動)を受けました。

宇都木先生 通院には近くの病院がよいだろうということで、当院に紹介されていらっしゃいました。とても穏やかな方だなという印象でした。

関島さん 最初はショックで目の前が真っ暗になりました。私はソフトテニスが好きなので、もうできなくなるのかと思い、担当医師に聞いてみたところ、テニスはいいですよと言われて一筋の明かりが見えた気がしました。

宇都木先生 関島さんのように、年齢を重ねてから1型糖尿病を発症される方は決して多くはありません。でも、懸命に1型糖尿病について調べたり、勉強している姿勢を拝見して、当院の患者会への参加をお勧めしました。そして、群馬県の1型糖尿病のある方の交流会にも積極的に参加しています。(医師や医療スタッフは見守り、サポートをしています。)

関島さん 交流会では年配の方は少ないですが、若い方、小さい時に1型糖尿病を発症された方、色々な方がいらっしゃいます。皆さんの経験を聞かせていただき、意見の交換ができる素晴らしい出会いの場を教えていただき感謝しています。

宇都木先生 同じ1 型と言っても、病状や経過は十人十色です。低血糖の予兆や対処法など、皆さんの経験を話し合って役に立ててもらえば良いなと思います。

関島さん 数十年インスリンを使っている方のお話も聞きました。私は阪神ファンですが、岩田稔投手も1型だったと聞いて、非常に勇気をもらいました。
先生は質問があれば何でも答えてくださいます。多少のことは大目に見てくれて(笑)、決して上から目線でないご指導です。昨年、少し腎機能低下の兆しが見えた時もそうでした。

宇都木先生 患者さんを叱っても、良いことは一つもありません。ご自身が一番わかっているのですから、悪化の兆しが見えても、なるべく脅かさないように注意を促しています(笑)。

中野真弓看護師 関島さんは勉強熱心で、何でも吸収する意識が高い方です。奥様もとても協力的で、栄養指導の時にはご一緒にいらっしゃいました。

関島さん 栄養指導の際に嬉しい驚きがありました。地元中学の教え子が管理栄養士になって、この病院で再会しました。もちろん、しっかり栄養指導を受けました(笑)。
先生はおおらかで、気軽に何でも聞けます。カルテではなく、私の顔を見て先生は話をしてくれます。だから、甘えてばかりではいけない。しっかり自覚するしかないと思えるんですね。

中野真弓看護師 毎日の生活を楽しく、たくさんの楽しみを見つけてほしいと思っています。

関島さん 「禍を転じて福となす」ということわざがありますが、この病気になり、食事や運動に気を付けるようになり、むしろ、健康になった気がします。インスリンのおかげで普通の生活ができています。注射針もほとんど痛くありませんし、操作も簡単です。糖尿病もひとつの個性だと思うようになりました。
中学生の孫がいるので、その成長を元気に見守りたいと思っています。これからも長生きできるようにご指導お願い致します。

宇都木先生 今のままでOKです。自信を持って過ごしてください。スタッフみんなと応援しています。

 

関島 和彦さん
60代で1型糖尿病を発症。大好きなソフトテニスは週4回、市や県大会出場。ソフトテニスの時は低血糖に備えてと自分へのご褒美を兼ねて好物の大福を持参するアクティブな元校長先生。

宇都木 敏浩先生
医療法人 緑流会 宇都木医院(群馬県高崎市) 院長
日本糖尿病学会専門医、日本糖尿病学会研修指導医

糖尿病治療は患者さん、医師、看護師、管理栄養士などが同じ目線で向き合うことがモットー。患者さんの治療と生活を広い心で見守る先生。

左から宇都木先生、関島さん、中野看護師

監修 [ごあいさつ]
東京女子医科大学内科学講座糖尿病・代謝内科学
教授・基幹分野長
馬場園哲也

編集協力
大屋純子、小林浩子、中神朋子、花井豪、三浦順之助、柳澤慶香
アイウエオ順

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