
糖尿病を抱えるチームメイトが、私と同じような経験をしてきたと知ったときは、非常に助けられました。しかし一方で、自分の経験を他人と共有するのには苦労をしました。私がチーム
ノボ
ノルディスクに加入したばかりの頃、チームでは糖尿病の小児患者さんに自分たちが糖尿病と診断されたときの話をする機会がありました。私の順番が来たとき、私は部屋から出て泣きました。そして母に電話をし「私にはできない!」と言ったことを覚えています。自分が糖尿病と診断されたときの感情や不安がよみがえるので、泣かずには話せませんでした。母は「あなたは人を勇気づける立場であり、自転車競技選手なのよ」と言いました。母の後押しで元気を取り戻した私は、部屋に戻り自分の体験を話しました。母の言葉は今でも、私が自分の体験談を話すときの励みとなっています。
私の性格は両親それぞれに少しずつ似ており、母親に似て情け深く、父親に似て現実的です。私が若手選手を指導するときにこの両面の性格が現れますが、特に、私が「Mini-Me
(私のミニ版) 」と呼んでいる1人の少女を指導するときにそれを感じます。彼女は才能がある選手で優秀な成績をおさめていますが、自分に厳しい性格で、私にはそれが自分のように感じます。彼女の父親は私に、若手選手として彼女はどのような興味や目標に向かうべきかと尋ねたことがあります。私は、「自由に羽ばたかせてあげてください」と答えました。私の父は私に、どのような選手になるのか無理強いすることもできたはずですが、私がサイクリングに夢中になる様子を見守っていてくれました。私の両親は、私をありのままでいさせてくれました。彼女のご両親は思いやりがあって協力的です。ご両親が彼女を支え続ける限り、彼女にもいつかそれが理解できる日が来るでしょう。