糖尿病の治療には、患者さんが安全かつ正確にインスリン製剤を投与し、血糖管理することが必要不可欠です。そのためインスリン投与デバイスのイノベーションは、糖尿病のある方が自身の状態を管理しやすくするうえで重要な役割を果たし続けていることは間違いありません。
1925年、ノボ ノルディスクは世界初の注入デバイスの提供を開始することにより患者さんのインスリン自己注射を簡単なものとしました。以来、95年以上にわたり、デバイスのイノベーションを繰り返しながら、糖尿病治療薬の投与をできるだけ簡便にすることに取り組んできました1。
何十年もの間、インスリン製剤は大きなガラス製の注射器と再使用可能な注射針を用いて投与されていましたが、どちらも使用の都度、煮沸して滅菌する必要がありました2。その困難な状況を一変させたのは、1985年の世界初となるインスリンペン型注入器の誕生です。これにより糖尿病のある方は1日数回適正な量のインスリン製剤を正確に簡単に自己注射することが可能となりました。このデバイスのイノベーションは糖尿病のある方の生活を激変させ、コンプライアンスとQoLを大きく改善しました3。
以降も、ノボ ノルディスクの挑戦は続いていきます。1989年にはディスポーザブルタイプのインスリンプレフィルド製剤が誕生し、より簡単に、より目立たないようにインスリン注射ができるようになりました。1999年に登場したのはカートリッジ式のペン型注入器と、恐怖心と痛みを軽減する小さく細い注射針です。2010年には、最後に投与した用量を表示するディスプレイ付きインスリンペン型注入器が誕生しました。