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Blueprint for Change Programme 2021:デバイスのイノベーション

インスリン発見100周年を記念してノボ ノルディスクが発行した「Blueprint for Change Programme 2021」より、今回は「デバイスのイノベーション」についてご紹介します。

インスリン投与デバイスのイノベーション


糖尿病の治療には、患者さんが安全かつ正確にインスリン製剤を投与し、血糖管理することが必要不可欠です。そのためインスリン投与デバイスのイノベーションは、糖尿病のある方が自身の状態を管理しやすくするうえで重要な役割を果たし続けていることは間違いありません。

1925年、ノボ ノルディスクは世界初の注入デバイスの提供を開始することにより患者さんのインスリン自己注射を簡単なものとしました。以来、95年以上にわたり、デバイスのイノベーションを繰り返しながら、糖尿病治療薬の投与をできるだけ簡便にすることに取り組んできました1

何十年もの間、インスリン製剤は大きなガラス製の注射器と再使用可能な注射針を用いて投与されていましたが、どちらも使用の都度、煮沸して滅菌する必要がありました2。その困難な状況を一変させたのは、1985年の世界初となるインスリンペン型注入器の誕生です。これにより糖尿病のある方は1日数回適正な量のインスリン製剤を正確に簡単に自己注射することが可能となりました。このデバイスのイノベーションは糖尿病のある方の生活を激変させ、コンプライアンスとQoLを大きく改善しました3

以降も、ノボ ノルディスクの挑戦は続いていきます。1989年にはディスポーザブルタイプのインスリンプレフィルド製剤が誕生し、より簡単に、より目立たないようにインスリン注射ができるようになりました。1999年に登場したのはカートリッジ式のペン型注入器と、恐怖心と痛みを軽減する小さく細い注射針です。2010年には、最後に投与した用量を表示するディスプレイ付きインスリンペン型注入器が誕生しました。

 

人工膵臓「インスリンポンプデバイス」の開発と改良


1960年代初頭、米国でインスリンを持続投与する着想により、初のクローズドループ型インスリンポンプデバイスが登場しました。このデバイスは自動血糖測定器を備え、体内にインスリンを持続的に注入することができましたが4、残念ながらサイズが大きくあまり実用的なものではありませんでした5

1970年代後半に、研究者が持続的な静脈内インスリン送達システムを使用するようになりました4。そしてこのポンプが医学界で世界的に受け入れられるようになります。1980年代初頭までに、多くの企業がインスリンポンプの開発に着手し4、今日ではあらゆる形状、サイズ、色のインスリンポンプが提供されています。

 

新たなテクノロジーの採用


インスリン製剤を使用している場合、糖尿病の管理は複雑です。活動レベルやストレスレベル、血糖値や食事について常に考える必要があります。このような複雑な治療に対処するために、新たな糖尿病ケアのテクノロジーが開発されています。糖尿病のある方を治療プロセス全体の中心に据え、通常の医療機関の受診以外に、適切なツールと情報を患者さんに提供することで、より簡単に糖尿病を自己管理してもらえるよう、より簡易な血糖測定ツールや、自動化がますます進んだインスリン投与の管理、投与量自動記録、投与量支援のアプリケーションやツールが多数開発されています。

しかし、多くのアプリケーションが複数存在することで管理がより複雑になります。将来的には、デジタルヘルステクノロジーにより、さらに相互につながり、シンプルなソリューションを通じて、より有意義で総合的な信頼性の高いデータを提供することができるようになるでしょう。これにより、糖尿病のある方と医療従事者がより生産的な会話をし、糖尿病管理に関する知見の共有が容易になると考えられます。

「Blueprint for Change Programme 2021」全文はこちらからご覧ください。

 

参照資料

1. Novo Nordisk. Novo Nordisk Annual Report 2019. 2020.

2. Selam J-L. Evolution of diabetes insulin delivery devices. In: SAGE Publications Sage CA: Los Angeles, CA; 2010.

3. Rex J, Jensen KH, Lawton SA. A review of 20 years’ experience with the Novopen® Family of Insulin Injection Devices. Clinical drug investigation. 2006;26(7):367–401.59

4. Toth GH. Continuous subcutaneous insulin infusion in children and adolescents with type 1 diabetes: Do the benefits outweigh the risks? Paediatrics & child health. 2005;10:28–30.

5. Alsaleh FM, Smith FJ, Keady S, Taylor KM. Insulin pumps: from inception to the present and toward the future. J Clin Pharm Ther. 2010;35(2):127–138.

糖尿病治療のイノベーション~Blueprint for Change~

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