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ノボ社を設立したペダーセン兄弟は貧しい家庭で育ちました。物を作るのが好きな熟練職人の兄ハラルと、その10歳年下で薬剤師の弟トーバルです。両親は学校の教師で給与が非常に安く、生活するだけで精一杯で、家族はいつも助け合っていました。
後にハラルはデンマークに移り住み、工場で1日10時間も働きながら夜には勉強をし、発電所での監督者になります。しかし、プライベートでは妻を亡くしシングルファーザーとなった上、事故で片目を失うなど悲劇が続きました。1910年から研究者アウグスト クロウの下で働くことになり、インスリン研究所の立ち上げで弟のトーバルを招き入れます。その後、トーバルが解雇されてハラルも研究所を去る時、ハラルはこれからインスリン製造をすることをアウグスト クロウに告げ、「君らには絶対に無理だ」と言い返されます。しかしこの一言が、彼らを奮い立たせたのです。
1925年、ペダーセン兄弟はノボ テラピューティスク研究所の立ち上げに成功します。これが2つの会社ノボ社とノルディスク社の65年にわたるすさまじい競争の始まりです。
ここでは、幼少期の兄弟の姿や設立の背景にあった家族の想いと団結する様が語られています。