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クリスチャン ハーゲドン率いるノルディスク インスリン研究所を離れたハラル ペダーセンとトーバル ペダーセンは「もっと良くしなければならない」という座右の銘のもとインスリンを改良します。そして、それまで溶解する必要のあったインスリン製剤を劇的に改善するノボ シリンジの開発に成功したのです。しかし、家族経営だった彼らにとって、その市場を見つけることは困難でした。
1932年にノルディスク社がデンマークで初の糖尿病専門病院を設立すると、これを追うように兄弟も当時はまだ無名建築家であったアルネ ヤコブセンを迎えてヴィドーレ病院を設立します。厳格な食事療法が主流だった当時に、ヴィドーレ病院では糖尿病とともに生きる方法を教えることで患者さんは生きる希望をもって復帰できるようになりました。
その後、1936年にノルディスク社がニジマス精子のタンパク質抽出物を添加することにより世界初の持効型インスリン製剤の製造に成功し、大きな優位を勝ち取りますが、第二次世界大戦の勃発やノボ社との間における裁判の敗訴によって65年の競争は幕を閉じます。
ここでは、ペダーセン家の質素な地下室で行われていたインスリン製剤の製造に関する様子も、その功績とともに語られています。