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レッツ チャレンジ!インスリンクイズ【第6問】

楽しみながら答えるだけで、あなたもインスリン博士になれる!? 

クイズは全部で10問あります。ヒントはこのインスリン発見100周年ウェブサイトのコンテンツに隠れているかもしれません。ぜひ挑戦してみてください!

第6問目の問題は、糖尿病治療のもっとも重要な指標、HbA1cについてです。

【第6問】 糖尿病の検査や診断のために測定するHbA1cが発見されたことにより、何が可能になりましたか?


a. 糖尿病とともに生きる人々の平均余命が改善

b. インスリンペン型注入器の使用が増加

c. 健康に与える長期的な生活習慣の変化や投薬の評価

d. 適切な食事時間を管理する時間の減少

 

正解は…。

正解をみる

c.健康に与える長期的な生活習慣の変化や投薬の評価


HbA1c (ヘモグロビンエーワンシー) とは、糖尿病治療における長期的な血糖管理におけるもっとも重要な指標のことです。 HbA1cは、1968年、イラン人の医師 Samuel Rahbar MD PhD によって発見されました。それまでの指標は血糖や尿糖で、一時的な状態しか見ることができませんでしたが、当時、血糖管理と糖尿病合併症との関係を調べるために長期的な状態の分かる指標が求められていたのです。

HbA1cでは、過去1~2カ月の平均血糖の状態を見ることができます。そして、そのメリットは、長期的な血糖管理が実現することに加えて、採血時での食事や運動の影響を受けにくいため、患者さんの負担が少ないことです。

ここで、HbA1cの正体について解説します。

まず、HbA (ヘモグロビンエー) とは、赤血球に含まれるタンパク質の一つで、酸素と結合する働きにより人が呼吸をするために必要なものです。 HbA1c は、その通常の HbA にブドウ糖が結合した、異常ヘモグロビンの一種です。この結合は、ゆっくりと進んだあと約60日間、安定した形で存在するため、採血時の食事影響などを受けにくいのです。値が「%」なのは、全体のヘモグロビン量に占める、 HbA1c 量の割合を表すためで、健康な人の値が4~6%であるのに対し、糖尿病のある方では7.5~10.6%と高いことが、Rahbarの研究からも分かっています。

この発見により1~2カ月にわたる血糖管理が可視化され、糖尿病合併症との関係性が明らかになりました。現代においても糖尿病のある方の長期的な健康に与える生活習慣の変化や、薬の効果を評価することに役立っています。

【解説参考】

葛谷健、『糖尿病医学史談 臨床・研究の歴史をひもとく』、医歯薬出版株式会社、2017年、P191-199

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