a. 1923年8月
b. 1923年2月
c. 1922年1月
d. 1925年1月
正解は…。
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第7問目の問題は、世界で初めてのインスリンによる糖尿病治療についてです。
【第7問】 インスリンが犬の膵抽出物から発見されたのは1921年のことですが、これが初めて人に投与されたのはいつですか?
a. 1923年8月
b. 1923年2月
c. 1922年1月
d. 1925年1月
正解は…。
c.1922年1月
レナード
トンプソンという当時14歳の少年が、世界で初めてインスリンによる糖尿病の治療を受けた人です。彼は1920年、11歳で糖尿病があることが分かり、1日450キロカロリーという厳しい飢餓療法を行っていました。その筋肉はやせ衰えて体重は30 kgほどでした。頭髪は抜け始めて、その呼気はアセトン臭を示し、死に直面しながら入院していたと記されています。その少年が正常な生活をとり戻し、27歳の時に肺炎で亡くなるまで生存できたのは、1921年に発見されたインスリンのおかげでした。
このインスリンを犬の膵抽出物から発見したのは、カナダの外科医であるフレデリック バンティングとその助手で化学検査を行っていた学生のチャールズ ベストです。2人は1921年の夏に、重度の糖尿病の犬へこの抽出液を与えて70日間も生存させることに成功していました。この成果を論文として発表する準備をしていた頃、知人の医師エド ジェフリーを通じてトロント総合病院に入院していたトンプソン少年と出会います。
それから間もなく1922年1月11日、トンプソン少年は成牛でつくった抽出液の注射を受けます。その注射部位は赤く腫れて一度は中止したのですが、一般病状の改善が見られたため1月23日から投与を再開しました。その後も改善は続き、食事も摂れるようになって体重も回復し、正常な生活をとり戻せるようになったのです。
こうして、インスリン抽出物は1921年の発見からわずか数カ月間で人への効果が確認され、トロント総合病院の他の患者さんにも投与が始まります。そして彼らも同じく、やせ衰えていた身体に初めて回復の望みをもつことができました。
これが、1922年に初めてインスリンが投与された人における糖尿病の治療です。ここからさらに研究が加速し、インスリンの製剤化に向けた開発へとつながっていきます。
【解説参考】
・G.レンシャル、G.ヘテニー、W.フィーズビー、二宮陸雄訳、『インシュリン物語』、岩波書店、1967年、p64-66
・マイケル・ブリス、堀田饒訳『インスリンの発見』、朝日新聞出版社、1993年、p5
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