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レッツ チャレンジ!インスリンクイズ【第8問】

楽しみながら答えるだけで、あなたもインスリン博士になれる!? 

クイズは全部で10問あります。ヒントはこのインスリン発見100周年ウェブサイトのコンテンツに隠れているかもしれません。ぜひ挑戦してみてください!

第8問目の問題は、1920年代における糖尿病を発症する年齢とその頻度についてです。

【第8問】 1920年代における糖尿病は、ほとんどが小児に発症する稀な疾患であると考えられていました。これは正しい?それとも間違いでしょうか?

正解は…。

正解をみる

正しい



まず、糖尿病にはいくつかのタイプがあり、それにより発症年齢や原因に違いがあることを知っておく必要があります。ここでは、1型糖尿病と2型糖尿病について理解することで、1920年代における糖尿病の周知をひも解きましょう。

発症年齢で比べると1型糖尿病は小児から思春期に、2型糖尿病は40歳以上に多く発症します。その主な原因は、前者が自己免疫疾患によるもので後者が遺伝的素因や生活習慣によるものです。

実は1920年のある特定の国における糖尿病のある方数を知るのは難しく、詳しい値として見ることは出来ません。なぜなら、当時は糖尿病の厳密な定義や診断方法として誰もが納得するようなものがなかったからです。ただし、貧乏で痩せ衰えている人々よりも、裕福で栄養状態のよい人々に糖尿病は発症しやすいという傾向は分かっていました。特にお金持ちのユダヤ人に多く認められ、とりわけ裕福であったとされるアメリカとドイツにおいて多かったようです。段々と世界が豊かになり、人々の栄養状態が一層よくなるに連れて、糖尿病の発症頻度は増えていきました。

つまり、世界がまだそれほど豊かではない1920年代には、40歳以降に過食や運動不足などの生活習慣が原因となって発症する2型糖尿病の全体数そのものが少なかったと考えられます。加えて、2型糖尿病の特徴でもある症状の進行が緩やかで病気であることに気づきにくいということも理由の1つかもしれません。

そのため、現代に比べると1型糖尿病のある方の割合が多く、糖尿病といえば小児に発症する病気だと思われていたのでしょう。

ただしその発症頻度は稀で、1920年に日本で報告されていたのは51例だけと、外国における文献でも少なかったようです。


【解説参考】

・Diabetes Journal編集委員会 編、『日本における糖尿病の歴史』 、山之内製薬株式会社1994年、p422

・マイケル・ブリス、堀田饒訳『インスリンの発見』、朝日新聞出版社、1993年、p21-22

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