a. 1985年
b. 2000年
c. 1969年
d. 1975年
正解は…。
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第9問目の問題は、患者さんによる1日数回の自己注射が簡単に行えるようになったインスリンペン型注入器についてです。
【第9問】 世界で初めてインスリンペン型注入器が発売されたのは以下の何年でしょうか?
a. 1985年
b. 2000年
c. 1969年
d. 1975年
正解は…。
a. 1985年
インスリンペン型注入器というのは、キャップのついたペンのような本体にインスリン製剤をカートリッジとして装着するタイプや、インスリン製剤が本体の中に充填されている使い捨てタイプのことをいいます。世界で初めてのインスリンペン型注入器は、1985年にノボ社から発売された「ノボペン®*」です。それまでの自己注射はバイアル
(ビン) に入ったインスリン製剤をシリンジ (注射器) で必要量を計りながら吸引し、注射するというものでした。
最初のインスリン製剤で用いられていたのは、毎回の煮沸消毒が必要なガラス製の注射器と鋼鉄製の針です。当時1925年に発売された「ノボシリンジ*」が、インスリンペン型注入器の原型となっています。そして1954年に登場した使い捨てのガラス製注射器を経て、1961年に使い捨てのプラスチック製注射器が発売されました。その後、中間型インスリンが開発されて注射の回数が1日1~2回と少なくなったこともあり、1980年頃まで大きなデバイスの変化はありませんでした。
1980年代に入ると、糖尿病治療は腎症や網膜症などの合併症を予防したり遅らせたりすることに主眼が置かれるようになります。そして、生理的なインスリン分泌について研究が進み、よりよい血糖管理のためには頻回注射を行う強化インスリン療法が必要であることが分かってきました。これにより、外出先でも簡単に自己注射の行うことの出来る注入デバイスに対するニーズが高まっていったのです。
1985年に洗練されたデザインのノボペン®*が発売されると糖尿病のある方たちはこの便利なインスリンペン型注入器を好み、たちまち世界中へ広がりました。このデザインは、後に日本でグッドデザイン賞にも選出されています。次いで1994年に世界初となるディスポーザブルシリンジ型インスリン製剤が発売されました。
こうしたインスリンペン型注入器による自己注射の普及により、患者さんは1日数回の自己注射を簡単に行えるようになりました。また、インスリンに左右されていた生活から解放されただけでなく、よりよい血糖管理が可能となって糖尿病合併症のリスクが減少していったのです。
*「ノボシリンジ」および「ノボペン®」は、現在は販売しておりません。
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